AGVとNSW-MaaSプラットフォームを組み合わせた活用事例のご紹介

現代の製造業や物流業において、効率化と自動化はますます重要なテーマとなっています。その中で、AGV(自動搬送車)は、物品の運搬を自動化し、作業効率を飛躍的に向上させる技術として注目を集めています。

そこで、今回はAGVの概要や走行方法をご紹介と、最後にMaaSプラットフォームと連携した利用例をご紹介します。


AGVは「Automated Guided Vehicle」の略で、主に工場や倉庫内で使われる、人間が運転操作なしに、物を自動で運搬する搬送車のことです。

AGVが初めて倉庫や工場で利用されたのは1950年代といわれています。初期のAGVは床に埋め込まれたワイヤーに沿って移動するシンプルなものでした。

1980年代には、磁気テープを床に設置して決められたルートを自動走行するものが生まれ、現在ではAIを活用したナビゲーションシステムも存在しています。
なかでも、決められたルート走行だけではなく、不定形なルートも自己位置推定しながら自律走行できるようなAGVをAMR(Autonomous Mobile Robot)と呼び、次世代AGVとも呼ばれています。


AGVの走行方法は、現在に至るまでさまざまな走行方法が開発されてきました。ここではいくつかの走行方式をご紹介します。

ライントレース式(磁気誘導式)

ライントレース式は、床に設置したライン(磁気テープや光反射テープなど)に沿って走行する方式です。AGVに搭載されたセンサーでラインを正確に認識できるため、直進や停止の精度が高いのが特徴です。設置コストが低く抑えられるため、広く普及している方法です。

画像認識方式

画像認識方式は、天井や床に2次元コードやARマーカーなどの視覚的なマーカーを設置し、AGVに搭載したカメラで読み取り、位置情報を認識しながら走行する方式です。事前にマーカーを貼り付ける手間はありますが、配置を変えることで自由にルートを変更できます。運用環境に応じた柔軟なルート設定が可能な点が強みです。

SLAM誘導方式

SLAM誘導方式は、これまでご紹介した走行方法のようにテープやマーカーを設置せずとも、AGVが自分の位置を把握しながら走行する方式です。AMRとも呼ばれます。

SLAMは「Simultaneous Localization and Mapping」の略で、自己位置推定と環境地図作成を同時に行う技術のことです。
自己位置を推定する方法としては、周りの物体との距離をAGVに搭載した機器から照射されるレーザーの跳ね返りから測る「LiDAR SLAM」と、AGVに搭載したカメラで取得した画像の変化から自己位置を推定する「Visual SLAM」があります。
SLAMは、床などにテープなどを貼れない環境や、棚などの設備の配置が頻繁に変わる環境などで活躍します。
さらに、人や障害物を自ら察知し、自動で回避するため、人との協働作業できる点が、他の方式とは大きく異なります。


NSWが提供している位置情報・動態情報管理ソリューション「NSW-MaaSプラットフォーム」とAGV(以降ロボット)を連携させた利用例を紹介します。

「NSW-MaaSプラットフォーム」は、移動を伴うモビリティから発信される位置情報や動態情報を取得し、遠隔からリアルタイムに確認できます。
ロボットの位置情報の取得には、前段でご紹介したようなロボットが自身の位置を把握できるような仕組みが必要になりますが、NSWが提供している「GEBOTSフレームワーク」を活用することで実現できます。

「GEBOTSフレームワーク」は、”省力・省人化”、”無人化”、”IoT化”と”効率的開発支援”を基本コンセプトとして、NSWの自動車業界での開発経験で培った技術で農畜産業、船舶業界、鉄道業界といった他業界のお客様が抱える課題を解決する「ソフトウエアフレームワーク」です。

「GEBOTSフレームワーク」とLiDAR等をロボットに組み込むことで自身の位置の推定ができ、その情報を「NSW-MaaSプラットフォーム」に送信することで現場で活動しているロボットの現在地を遠隔から確認できます。

「NSW-MaaSプラットフォーム」では遠隔監視だけではなく、ロボットに対しての作業指示も設定できます。これにより、現場での人手を減らし、効率的な運用をサポートします。


AGVは、現代の製造業や物流業において欠かせない存在となっています。
その導入により、作業の効率化やコスト削減、安全性の向上が期待できるだけでなく、柔軟な運用が可能です。今後も技術の進化とともに、AGVの役割はますます重要になるでしょう。

本記事でご紹介したNSW-MaaSプラットフォームとAGVの連携については、オートモーティブワールド(2025年1月22日(水)~24日(金)に東京ビッグサイトで開催)のNSWブースで出展を予定しています。ぜひお越しください。